I
(係助)
〔古くは「そ」。 上代から中古にかけ次第に濁音化し, 「ぞ」が一般的になる〕
体言・活用語の連体形・種々の助詞などに付き, 取り立てて強く指示する意を表す。
※一※文中にある場合。 文末の活用語は連体形で結ぶ。
(1)一つの物事を特に取り出して強調する。

「峰高く, 深き岩の中に~聖(ヒジリ)入りゐたりける/源氏(若紫)」「野中に岡だちたる所に, ただ木~三つたてる/更級」

(2)文の調子を整えるのに用いる。 この場合, 動詞の連用形に付き, サ変動詞「する」で受ける。

「折りてみば落ち~しぬべき秋萩の枝もたわわに置ける白露/古今(秋上)」

※二※文末にある場合。 その文を強く言い切るのに用いられる。

「我をいかにせよとて捨てては昇り給ふ~/竹取」「この西なる家には何人の住む~/源氏(夕顔)」

(終助・副助)
II
「そ」の濁音。 歯茎破擦音(または歯茎摩擦音)の有声子音と後舌の半狭母音とから成る音節。
〔奈良時代までは, 上代特殊仮名遣いで甲乙二類の別があり, 発音上区別があったとされる〕
III
〔係助詞「ぞ」から〕
※一※ (終助)
文末にあって, 活用語の終止形に付く。
(1)自分の判断を強く言い切ったり, 主張したりするのに用いる。

「ぼくの方が正しい~」「これならきっとうまくいく~」「そら, やる~」

(2)疑問詞と呼応して, 反語や疑問を強めるのに用いる。 やや文章語的な言い方。

「一体だれがこの難問に答えられよう~」

※二※ (副助)
文中の疑問詞を受けて, 不定の意を表す。

「だれ~に聞いてくれ」「なん~食べ物はないか」

〔※一■の終助詞は近世以降の用法, ■二※の副助詞は中世以降の用法〕
(係助)

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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